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2018年12月22日 (土)

強迫性障害解決の具体的な方法 1

強迫性障害解決の具体的な方法をモデルにより述べます。

 

なおボランティア活動で、無料のメールカウンセリングをカウンセラーの中島が行っています。ご希望の方は、下のメールアドレスをクリックしてください。リンクします。
⇒  believer-will@true.ocn.ne.jp

強迫性障害を認知行動療法で克服することは、強迫的な観念や行為をきれいに消し去ることではありません。強迫的な観念や行為を持ちながら、普通に生活することです。この点は、森田療法に類似しています。

しかし森田療法では「あるがまま」ということをとおして、強迫的な観念や行為を持ちながら普通に生活できるようにします。それに対して認知行動療法では客観性を持った心理的な法則により、強迫的な観念や行為を持ちながら普通に生活できるようにします。この点は、両者で大きく異なります。

認知行動療法では客観性を持った心理的な法則を学習して、自分の心配に対する正しい対応を行っていきます。たとえば強迫性障害の不安は最初の5分をピークとして、自然に減っていきます。その客観性を持った心理的な法則を学習して、自分の心配に対する正しい対応を確立していくのが認知行動療法です。

強迫性障害を認知行動療法で克服することは、強迫的な観念や行為を持ちながら普通に生活できることです。これは水泳に、似ています。

最初は自分が、水のなかにいることには不安です。それでも25メートル泳げれば、不安は減少します。1万メール泳げれば、ほぼまったく水に対して不安は感じません。

認知行動療法は強迫性障害の不安の海を、泳ぐ自由形です。よってクロールもあれば、平泳ぎもあれば、バタフライや、背泳もあります。これから自分の心配に対する正しい水泳をマスターして、強迫性障害を克服しましょう。

水と同じように不安に直面することにより、その不安はその人をさらに苦しめはしません。これは事実です。やがて自分の心配は、自分によりコントロールされるようになります。
そしてそれは練習を続ければ、永続します。これが、強迫性障害を認知行動療法で克服することのあらましです。

現実に強迫性障害により、生活は狭められます。ある不潔恐怖症の人は、不潔感ゆえに一日に3時間以上は働けません。その人は身体を3時間以内に石鹸で洗わないと、細菌による病気になると思い込んでいたからです。ある不潔恐怖症の人は、不潔感ゆえに一日に3時間以上は働けません。

またこの人は自分が不潔感を感じると強い不安に陥り、不安の迷路をさ迷ってしまいました。そのために一日のほとんどを洗濯と掃除に、費やしたのです。その結果、一日に3時間以上は働けなかったのです。このように強迫性障害は、その人の生活を拘束します。その自己拘束から解き放つ方法が、認知行動療法です。

この人も多くの不潔恐怖症の人と同様に、汚いものが自分の外側にあり、それに触れることを恐れたのです。たとえば、駅のトイレには入れません。トイレのドアに触れることを、恐れたからです。このようにこの人にとって外側の世界は、不潔感ゆえにとても安心できるものではなかったのです。この人も多くの不潔恐怖症の人と同様に、汚いものが自分の外側にあり、それに触れることを恐れたのです。

最終的には利き腕である右の手では、何も触れられなくなりました。いつもズボンのポケットに、手を入れていました。そのポケットには、除菌ペーパーがいつも入っていました。

家庭でもトイレの水道の蛇口に触れるときは、除菌ペーパーで蛇口を拭き続けました。それを、30分以上行ったのです。日によっては、2~3時間掛かりました。そのために、家族はトイレを使えません。そして家族とも、トラブルになりました。

できるだけ自分で、不潔なものは避けました。それでも不潔なものに触れてしまったときは、手が赤くはれあがるほど石鹸で洗いました。洋服は、すべて洗濯しました。

このように不潔恐怖症の人は不潔感を感じると強い不安に陥り、不安の迷路をさ迷ってしまいます。その結果、できるだけ自分で不潔なものは避けました。 しかし神経症の認知行動療法では、不潔なものを避けません。むしろ逆に、不潔なものに直面します。それは認知行動療法は不潔なものを避けないで、逆に「不潔なものに直面すれば自然に不安は減少する」という心理法則に基づくものだからです。

この人はカウンセリングにおいて、不潔感を感じるものに無理に触れるようにしました。 そしてかつ、手を洗わないようにもしました。これが、その「不潔なものに直面すれば自然に不安は減少する」という心理法則の実践なのです。 この人は不潔感を感じるものに無理に触れるようにしてかつ、手を洗わないようにもしました。

わざわざ公園のトイレに行き、そのトイレのドアにあえて触れて手を洗いませんでした。また、公園の木陰のベンチにも座りました。それは公園の木陰のベンチのそばにはハトがよく集まり、ハトによってベンチのそばは汚されていたからです。

認知行動療法は、家庭での宿題も出します。
それは家の中で汚いと感じられるものに、あえて触れるのです。この点は(入院)森田療法より、認知行動療法の現実的な側面です。

多くの場合、(入院)森田療法では神経症を森田療法の施設のなかで解決します。ところが解決した問題に、具体的に家庭で直面する宿題はありません。認知行動療法では具体的に家庭での宿題を出し、現実生活に適応するステップが含まれています。このように認知行動療法は、カウンセリングが家庭の中でも具体的に継続するのです。

それはカウンセリングの場では不潔に対する恐怖は解決しても、現実の生活に戻ると恐怖により生活がスムーズに進まない人が多いからです。最も大切な現実の生活そのものがスムーズに進むために、認知行動療法では宿題を出すのです。

現実にカウンセリングの場では不潔に対する恐怖は解決しても、現実の生活に戻ると恐怖により生活がスムーズに進まない人は多いのです。認知行動療法は、現実とカウンセリングが切り離されていません。

この人には、「家の中で汚いと感じられるものにあえて触れる」という宿題を出しました。しかし、家庭ではそれができませんでした。そこで、壁に突きあたりました。その場合、家族のいる人は家族に協力してもらいます。

たとえば本人が「家の中で汚いと感じられるものにあえて触れる」ということができるために、トイレのドアにあえて触れるように家族は支持します。これは不潔に、直面することです。

さらにそのあとで家族は、手を洗わないようにも支持しました。これは正確には、本人に「手を洗わせない」ということです。本人はどうしても、不安感から手を洗いたくなります。それを家族は、ブロックするのです。

このようにして、家庭でも「不潔なものに直面すれば自然に不安は減少する」ということを、この人は学習したのです。このように認知行動療法では、現実とカウンセリングは切り離されていません。よって、カウンセリングの効果は生活そのものの場である家庭まで続いていきます。

現実にこの人も3ヵ月後には、不潔感に生活が拘束されなくなりました。確かに、不潔感はあります。しかし、その不潔感によって生活は妨げられないのです。このような「不潔感に対するコントロールの学習」こそが、認知行動療法です。不潔感に対するコントロールがマスターされれば、もう不潔感によって生活は妨げられないのです。

なお認知行動療法では強迫性障害の不安はきれいになくなるというよりも、不安であっても普通に生活できることを目的にします。この点も、森田療法に似ています。ただし森田療法よりも、心理学的客観性に裏付けられています。逆に言えば、森田療法のほうが精神論的な傾向は強いと言えます。

 

この認知行動療法の効果は、長期間続いていきます。ただしストレスを受けたときには、その効果は崩れかかります。たとえば受験生は受験が近づくと、また強迫症状に苦しみそうなコンディションになります。

そのときは認知行動療法を、さらに深めれば良いのです。水泳をマスターしていても大きな波が来れば、その波に溺れかかります。しかしそれでも溺れないように、さらに水泳を深めてマスターすれば良いのです。

 

神経症の認知行動療法では、不潔恐怖症の人は「不潔感に対するコントロールの学習」を、マスターすれば良いのです。そしてその効果は、長期間続いていきます。今回からは、女性の不潔恐怖症の人をモデルに認知行動療法の効果の継続について述べます。

この人は細菌感染を恐れて、不潔恐怖症になりました。そして認知行動療法の効果は、いまでも続いています。この人の恐れていたことは、改善しました。そして認知行動療法の終結から、3年経ったいまでも効果は崩れていません。それは認知行動療法により、不潔感に対する自己コントロールを維持し続けているからです。

この人は本当に手を洗う必要があるときにのみ手を洗うことを、認知行動療法の第一の目標にしました。具体的には、それは食事の前に手を洗うことです。正確に言えば、食事の前に一回手を洗うことです。以前は不潔感ゆえに、食事の前に何十回も手を洗っていました。

次にスーパーマーケットの、買い物カゴを使うことです。スーパーマーケットの買い物カゴは、誰でも使います。それゆえにこの人はスーパーマーケットの買い物カゴから、細菌が感染することを恐れて、買い物カゴを使えませんでした。カゴを使うように目標設定しました。

さらにスーパーマーケットや駅で、マスクをしている人を見かけると細菌感染を恐れて家に逃げ帰りました。そこで、マスクをしている人を見かけても、家に逃げ帰らないことも目標としました。

またこの人は細菌感染を恐れていましたから、病院の前を歩けません。医療施設は、犬猫病院でも避けていました。そのために、生活は妨げられていました。よって、病院の前を歩くことを目標にしました。同様の理由から、家族が風邪をひいても怖くて近づけません。

外食もできません。それは、伝染病を恐れていたからです。もし伝染病の人がレストランにいたら、それが食事を通して自分にうつると心配したのです。人の座った椅子には、座れません。このことを改善することを、目標にしました。

夏にはプールにも入れません。プールの水から、細菌が感染することを恐れたのです。よってプールに行くことも、認知行動療法の目標にしました。

同じ理由から、コインランドリーも使えません。少し話は変わりますが、食後に食器も煮沸消毒しました。これでは生活そのものが、スムーズに進みません。このように神経症の人は、自分の強迫観念により生活を拘束されてしまいます。

最も困ったことは、とても生活に水を多く使うのです。手を洗うことも掃除も入浴も時間が掛かりましたから、とても多くの水を使うのです。さらには、手を洗いすぎてまっ赤になっていました。

 

この女性も認知行動療法を行い、それによりきれいに不潔恐怖症がなくなったのではありません。まだ細菌感染を、少しは恐れています。しかし、食後に食器を煮沸消毒したりはしません。不潔感の恐怖から、自分自身を守れるのです。

このようにこの人は、自分の強迫観念から生活を少しは拘束されています。しかし、完全に身動きできなくはなっていません。それは認知行動療法により、不潔感の自己コントロールが身に付いたからです。この人は認知行動療法によりきれいに不潔恐怖症がなくなったのではなく、不潔感の自己コントロールが身に付いのです。

いまでも電車に乗り、マスクをした人を見かけると不安になります。しかしいまはその電車から、降りたりはしません。5分間ぐらいで、その不安は減少していくことを身に付けたからです。

この人は認知行動療法の練習を実施する直前に、強い不安に襲われました。それは細菌の感染という思い込みに、自分が飲み込まれてしまったからです。現実に細菌の感染は、まれなことです。しかしこの人は、絶対に自分は感染すると思い込んでいました。

そこで、家族の協力も必要でした。細菌の感染という思い込みに自分が飲み込まれて、電車では着席できませんでした。前に席に座った人からの、細菌の感染を恐れたからです。また同様の理由から、吊り革にも触れることもできませんでした。

そこでカウンセラーは、休日に電車に乗ることをアドバイスしました。そうすれば、電車では着席することになるからです。しかしこの人は、電車に乗っても不潔感ゆえに苦しくなると、電車から降りてしまいます。その結果、練習はいつも中途半端でした。

そこで電車で往復一日かかる祖父の家まで、日曜日に家族と出かけることにしました。その結果、いやでも電車のなかで着席もしました。そしてそれが不潔恐怖症解決の、具体的な練習になりました。

このようなかたちで認知行動療法では、家族が心理療法に参加します。この点は、とても特徴があります。この人の場合は、不潔恐怖症の解決に対して家族はより具体的に協力したのです。家族も、練習に参加したのです。このように家族の協力ということを、認知行動療法ではより具体的なものとして組み込んでいきます。もちろん神経症の人に対する家族の対応は、協力的なものでなければいけません。それを現実のなかに組み込んでいることは、認知行動療法の卓越性といえます。

さらに認知行動療法では家族面接により、家族と本人の協力関係を確立する方法もあります。それは特に小、中学生や高校生に多く用いられます。現実に神経症の人のいる家庭では非生産的な悪循環に、家族関係が振り回されていることが多いのです。それを建設的な関係に、変えるのが家族面接です。

この家族面接は本人の希望により、行われます。また家族の希望による場合は、本人の意向に沿って行います。このように神経症の人自身の考えを、最も尊重するのが家族面接です。

家族面接は先ず本人を含めた家族全員に、不潔恐怖症であればそのことから生じる「その問題点」を問います。ここから、スタートします。そして、それを「自分はどのように理解している」か、そしてさらに「本人に対してどのように対応するべきか」を、それぞれの人に問い掛けます。これは家族全員が、真にカウンセリングに参加するために必要な問い掛けです。

当然、それぞれの人により異なる答えが返ってきます。それを調整していくのです。この調整が、家族面接のポイントになります。先ず、それぞれの人の相違点と一致点を整理します。このときに大切なことは、相違点も尊重することです。カウンセラーはその人たちの考えを、尊重することこそが大切です。

その中で一致する対処のしかたがあれば、それを行うようにアドバイスします。家族面接では家族間の一致点を尊重して、そこから前に進みます。これこそが、建設的な関係を構築するために最も大切なことです。

これが家族面接の、一つの区切りになります。家族の協力関係と、それに基づく対処法の合意が得られた時が、一つの区切りになります。そして多くの場合、また1週間後に家族面接を行います。その1週間のあいだに、一致した対処のしかたを家族で行うのです。

そして多くの場合、また1週間後に家族面接を行います。その1週間後の家族面接では、

 

1週間のあいだに行った対処のしかたを家族で話し合います。その中にはうまくいったことも、逆にうまくいかなかったこともあります。そこから、またアドバイスは前に進みます。

カウンセラーはうまくいったこと、逆にうまくいかなかったことを整理します。そこから、家族全員はさらに前に進めるための新しい対処について考えます。それをまた家庭で行います。初回と同様に多くの場合、1週間後にまた家族面接を行います。このサイクルを繰り返すのです。

このプロセスは、らせん階段のように進みます。同じところに戻ってしまったと、思われることもあります。また以前よりも、後ろにさがってしまったと思われることもあります。そのプロセスを、繰り返すのです。

そのプロセスを図示すると、次のようになります。

家族面接では先ず本人を含めた家族全員の中で、一致する対処のしかたがあれば、それを行うようにアドバイスします。
                           ↓
                     それを、家庭で行います。
                           ↓
1週間後の家族面接で1週間のあいだに行った対処のしかたを家族で話し合い、それを整理して家族全員はさらに新しい対処について考え、行うようにアドバイスします。
                           ↓
                     それを、また家庭で行います。
                           ↓
                     また、1週間後に家族面接を行います。
                           ↓
                     このサイクルを繰り返すのです。

 

このプロセスはらせん階段のように進み、同じところに戻ってしまったと思われることもありまし、以前よりも後ろにさがってしまったと思われることもあります。ただし全体的には、上に向かって進んでいます。

家族面接は家族や本人の、建設的であり肯定的な考え方に軸足を置きます。さらにその建設的であり肯定的な考え方を、家庭の中で実際の行動を通して前に進めていくのです。

家族面接は家族や本人の、建設的であり肯定的な考え方に軸足を置きます。しかし現実には、家族や本人には破壊的であり否定的な考えも存在します。それに対しては、先ず中立的に対応します。

ただし、注意しなければいけないこともあります。それは破壊的であり否定的な考えの中にも、建設的であり肯定的なものは含まれているということです。先ず破壊的であり否定的な考えの中に含まれている、建設的であり肯定的なものを見い出していきます。そして最終的には破壊的であり否定的な考えを、建設的であり肯定的なものに変えていきます。
それが家族面接の、役割です。

モデルに戻り述べます。この人は1ヶ月ぐらいの認知行動療法により、不潔感に支配されなくなりました。不潔感から、完全に解放はされていません。しかし、支配されてもいません。認知行動療法の、大きな目標は達成されたのです。

この人は自分自身で不潔感ゆえの強迫行為を、コントロールできるようになりました。不潔感という不安の海を、泳げるようになったのです。不潔恐怖症の人は、認知行動療法により最も改善しやすいのです。さらに不潔感からの強迫行為も、自己コントロールが保たれやすいのです。

生活の中でストレスに直面すると、不潔感から必要以上に手を洗いたくなりますが、いまはそれにブレーキが掛かるのです。それにその原因となるストレスが過ぎれば、同時に不潔感から必要以上に手を洗いたくなるという衝動も自然に消えていきます。このように認知行動療法は、強迫性障害に拘束されない生活をもたらすのです。
次は、確認強迫を解決するための具体的な方法を述べます。

 

 

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